今回の選挙(12月16日2012年)の投票率は59,3%、残りの40%以上の人達の意見は全く反映されない選挙でした。これは他国の人々には想像出来ない、余りにもお粗末な結果でした。日本人の政治意識の欠如が如実に示された結果だと受け止められるのは必定でしょう。この無責任な状態を打破する事が、まず日本という国を変えて行く優先課題かも知れません。少なくとも日本の体質をこの5年以内に変えて行くには、まず小・中・高校生の授業に政治や国の事についてのディベートする機会を、授業の中に取り入れて行くのが一番早道かも知れません。もうすかっり社会の風習に毒されて来てしまった年配者に期待するのは無理かも知れません。今回の選挙に参加しなかった人々は、後5年もすれば間違いなく臍を咬む事になる事でしょう。格差は更に広がり、財政赤字の増大とそれによる日本の格付けのレベルダウン、レバレッジの利かない底なしの不況に陥るのが目に見えているような気がします。
今日本は20年前に戻ろうとしています。再び公共投資と日銀無視の低金利(かってバブルを齎した2大悪手)の政策を阿倍自民党は取ろうとしています。彼は全くの無能者です。その証拠は前回の首相の時に国民はつぶさに見てきた筈です。世間的な評価が下され、都合が悪くなると、再び姿を消してしまうでしょう。国家の実態を把握し、国民全体に負荷がかかるような事でも、真実と将来への展開を述べた後で自ら頭を下げ「将来の日本の為に今は苦しみを共にして下さい」などと心から言えるような政治家では彼は決してありません。今日本に本当に必要な政治家とは、その様な事を真正面から云える政治家です。
我々市民は、その様な政治家を的確に見出し、選挙で選出出来る様な社会機構を作り出して行かなければ、この国は本当に世界から取り残されて行きます。国家としての独自のアイディンテティと、世界全体をリードして行ける国を創り上げるには、日常的にその目標を実現出来るための道を模索してゆけるシステムを構築して行かなければならないと思います。アメリカに於けるNPOの形態はその一つとしてのモデルでもありますが、日本でのNPOはただ単なる行政の出先機関というものでしかなくなっています。政治的な活動は一切出来ず、自己実現という名を隠れ蓑にされて、すっかり手足をもがれた存在でしかなくなっています。本当に社会機構を変えて行くには、今の日本の制度の中ではNGOという手法しか残されていません。日々集まって社会やコミュニティの事を話し合い、実際の活動を展開し、束縛と制限をされずに行動にすぐさま移して行くにはこれが一番の選択肢だと思います。お金もかけず、時間や手続きを簡略化し、少数意見を社会の片隅からでも実現させてゆくにはこれが一番の手法です。インターネットという大きな影響力のある時代に我々は生きています。意見を同じくする人々が集まり、意見を交換し、時にはフェイスtoフェイスで話し合う事も簡単に出来る時代です。自らの思いと考えを整理し、新たな社会や時代を築いて行くことが可能な時代なのです。政党政治や議会制民主主義に嫌気をさした人々が、選挙に行かなかった人たちも居たかも知れません。そんな人達もNGOに是非参加して欲しいものです。自らの思いを実現する為に・・。
12・17・2012 曽根悟朗